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広井 博*; 三宅 収; 佐藤 稔*
PNC TN941 82-37, 170 Pages, 1982/02
蒸気発生器伝熱管破断時の水噴出率計算用の計算コード(SWAC―11)の妥当性を検証するために,長い管路での高温・高圧水のブローダウン試験を実施し,定常水噴出率ならびに圧力,スラスト力の過渡変化が測定された。特に,スラスト力測定に「ばね・質量」モデルを適用することで極めて短時間の過渡変化データが得られた。これらの試験結果はSWAC―11と比較された。定常時の測定値に対しては,Moodyモデル,二相増倍係数に関しても検討した。得られた主な結論は,以下のとおりである。定常値に関して,SWAC―11は全体を通して概略よく合っているが,飽和水の高圧領域では水噴出率,スラスト力を1015%低く見積る。これは二相増倍係数にThomの相関を使用することで改善される。噴出開始から約5msec後の値に関しても,SWAC―11はほぼ妥当な値を予測する。サブクール水に対してもSWAC―11の流動モデルは適用できる。噴出直後のスラスト力は,WaveForceとB1owdownForceの合力Fであるが,そのFと初期圧力Poと断面積Sとの関係は飽和水条件ではF/S・Po1.0であり,データを包絡する整理式としてはF/S・Po=1.36であった。スラスト力,圧力の過渡変化全体の計算結果と測定結果とを詳細に比較すると,計算結果は単調な変化を示しているのに対し,測定結果はより複雑な波形であり,完全には一致しなかった。この傾向は,特にサブクール水条件で顕著であった。過熱蒸気による試験結果は,定常値および非定常値ともに,既報のガス噴出試験と同様に,測定値とSWAC―11の予測値は一致した。